ご挨拶

ヒトレトロウイルス学共同研究センター長から ご挨拶

2023年4月1日よりヒトレトロウイルス学共同研究センター長を拝命し、身が引き締まる思いでございます。新しい年度の始まりにあたり、皆様にご挨拶申し上げます。

ヒトレトロウイルス学共同研究センターは、熊本大学エイズ学研究センターと鹿児島大学難治ウイルス病態制御研究センターが統合、改組して、2大学にまたがるウイルス研究センターとして2019年に設立されました。前身の両センターはそれぞれ、エイズ研究、およびHTLV-1、HIV、HBVの研究を行っており、大学法人の垣根を超えた共同のミッションとして「難治性ウイルス感染症の克服」を掲げ、ヒトレトロウイルス学を中心に研究を行っています。センター設立以降、このミッションを果たすために、共同研究の開始、人的・物的研究資源を最大限に活用するための設備共同利用システムの構築や、両大学合同で教員選考などを行ってきました。また、3年目には国内外の外部評価委員による中間評価を行いました。

さて、2020年からは新型コロナウイルス感染症の未曾有のパンデミックに直面し、私たちウイルス研究所としての責務を考え、レトロウイルス感染症に加えて新型コロナウイルス感染症の研究も開始しました。国内の研究コンソーシアムに参加し、協力して研究や解析を行うことで、迅速かつ重要な研究成果を発表してきました。このパンデミックを通じて、今後も発生するであろう新たなウイルス感染症に対応できる、共同研究ネットワークや人才育成が重要であることを再認識しました。本センターでは、これらを見据えて、共同研究体制の強化と国際的な若手研究者の育成をさらに進めてまいります。

今年度はセンター設立から5年目になります。いよいよこれから両大学の2つの研究センターが統合されたことによる相加効果ではなく、相乗効果を生み出す必要性を感じています。分野間の共同研究をさらに加速して、ウイルス感染症の予防法・診断法・治療法を確立し、社会に貢献できるよう努力いたします。皆様の変わらぬご理解とご支援を心からお願い申し上げます。

ヒトレトロウイルス学共同研究センター
センター長 久保田 龍二

熊本大学キャンパス長から ご挨拶

2021年4月1日付けで、ヒトレトロウイルス学共同研究センター・熊本大学キャンパス長を拝命ました。このセンターの前身の一つである熊本大学エイズ学研究センターは1997年に設立されて以来、もうすぐ25年を迎えます。また、HIVはその発見以来、40年を迎えようとしています。このような節目にあたり、これまでに成果を挙げて来たHIV感染症/エイズあるいは他の慢性感染ウイルスにおける細胞性免疫や抗体応答などワクチン開発の基盤となる研究開発、ウイルス潜伏化に伴う宿主因子やゲノム解析の研究、小動物モデルによる個体レベルでの感染症研究をさらに推進するとともに、研究教育の国際的な取り組み次世代のウイルス学研究者の育成をさらに活発に実施して行きたいと考えています。

COVID-19の世界的な流行下にあり、感染症の脅威に対して、いかに準備をしておくかが重要であることを改めて痛感する日々が続いています。レトロウイルス学研究を継続する中で、我々自身が得た知見や経験、育成した人材や開発した解析方法、感染症研究に必須な機器や設備などの知的資源を有効に活用するべく、さまざまなレベルで活動を始めています。この中で、生命科学研究部や先端科学研究部など熊本大学内の連携、鹿児島大学キャンパスとの連携、これまでに培った国内外の研究機関との連携が、力強く作用しています。こうした他機関との連携や人材交流をさらに推進していきます。合わせて、こうした取り組みやその成果の見える化を進めて行きます。

我々の国際的な研究、教育活動の一部をYouTubeにて公開しています。ぜひ、ご覧ください。

ヒトレトロウイルス学共同研究センター
熊本大学キャンパス長 上野 貴将

鹿児島大学キャンパス長から ご挨拶

私たち鹿児島大学難治ウイルス病態制御研究センターは、2019年に熊本大学エイズ学研究センターと統合され、両大学をまたいだヒトレトロウイルス学共同研究センターとして生まれ変わりました。世界水準のウイルス研究を行うために、それぞれの研究分野の強みを活かしながら研究力の相乗効果を図るため、お互いの研究領域の乗り入れ、研究設備および機器の共有、人事などの共同運営を行うために発展的に発足しました。そのために両大学の研究部門を所属キャンパスによってではなく、研究テーマに従い4つの研究部門(感染予防部門、病態制御部門、治療研究部門、国際先端研究部門)に新たに再編成しています。

鹿児島大学旧難治ウイルス病態制御研究センターは1993年より25年の歴史をもち、この間、HTLV-1によって起こる血液疾患である成人T細胞白血病(ATL)や神経疾患のHTLV-1関連脊髄症(HAM)、HIV、HBVを中心に、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)やエボラ出血熱なども含めた各種ウイルス疾患の病態解明、治療法開発を行ってまいりました。今回の統合を機に、HTLV-1、HIV、HBVを逆転写酵素を持つ広義のレトロウイルスと捉え直しました。世界的な問題となっている潜伏感染や再流行を起こすこれらの難治性ウイルスに対して従来のウイルスを減らしてコントロールするだけでなく、ウイルスを体内から根絶することを目標とした、新しいヒトレトロウイルス学を創って行くとこととしました。そして同時に次世代を担うウイルス研究者の育成を目指します。また鹿児島大学キャンパスでは、今回の統合を機に新たにトランスレーショナル部門を設置し、今まで埋もれがちだった大学の基礎研究のシーズを、これらウイルス疾患に対する治療法として社会実装することを目指します。さらに従来の難治性ウイルスだけでなく、世界の喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症に対しても、新規治療薬や研究開発ツールの開発を通して社会に貢献していくことを開始しています。この様にヒトレトロウイルス疾患に加え世界的問題となる新興・再興ウイルス疾患に対しても、今までの両大学のウイルス疾患研究で培った技術・アプローチを用いて臨機応変に対処してまいります。

これらの目標を達成するため、ヒトレトロウイルス学共同研究センター鹿児島大学キャンパスおよび熊本大学キャンパスの職員は、一体となり精進する所存です。関係各位の皆様、今後ともご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

ヒトレトロウイルス学共同研究センター
鹿児島大学キャンパス長(兼) 久保田 龍二

鹿児島大学キャンパス
熊本大学キャンパス
ヒトレトロウイルス学共同研究センター

〒890-8580 鹿児島市郡元1-21-24 ヒトレトロウイルス学共同研究センター
〒890-8544 鹿児島市桜ヶ丘8-35-1 (鹿児島大学キャンパス)
〒860-0811 熊本市中央区本荘2-2-1 (熊本大学キャンパス)

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